一人ひとりの可能性を拓く「研修制度」

本店建築部
工事課
細川 弘太 KOTA HOSOKAWA
本店土木部
工事課
浅見 裕幸 HIROYUKI ASAMI
新人研修担当
生産システム室室長
小島 喜恭 YOSHITAKA KOJIMA
新潟支店建築部
工事課
藤田 久莉生 KURYU FUJITA
本店建築部
工事課
儀同 優斗 YUTO GIDOH

※役職・内容は2020年11月取材当時のものです。

新発田建設では、2020年に新たな研修制度を構築しました。入社後3ヶ月間の基礎研修に始まり、OJTや定期研修、社内勉強会、1.5ヶ月の外部研修を組み合わせ、2年間にわたって継続するカリキュラムです。目的は、現場で必要な専門知識や技術を身に着けることはもちろん、自分の専門分野だけでなく会社全体について理解し、連携を深めること、さらに建築や土木系の出身でなくても希望すれば技術職に進める環境を作ることです。それは、社員一人ひとりの可能性を拓き、新発田建設の次の100年を担う人材を育成するための取り組みです。

新人研修制度の構築と実施を担当した小島室長と、2020年入社の一期生4名に、新たな研修制度についてお話を聞きました。

まず、みなさんの志望動機について教えてください。

儀同

学生の時、当社が新発田市役所や市内の高校など多くの建物を造ったと知ったのがきっかけです。もともと多くの人のためになる建物を造りたいという気持ちで建築系に進学したので、その夢を叶えたくて入社を決めました。最初の現場は地銀の改築工事で、ここで工事の流れを覚えました。

細川

私にとってのきっかけは、新発田城です。新発田城は保育園の遠足以来なじみのある場所で、新発田のシンボル。当社はそこを手掛けた会社として、子供のころから知っていたので、就職について考えた時、まちづくりに貢献したいという思いもあって、一番に候補として浮かびました。研修後は、幼稚園の現場で新園舎建築の仕事をしています。

藤田

実は、私は就活をはじめるまで当社のことは知りませんでした。学校の紹介で見学に来た時、新発田城や病院など大きな建築物を手掛けたことを知り、また、丁寧に説明してくださるみなさんの温かい雰囲気がいいなと思い、志望しました。最初の現場は新潟東港の大型倉庫です。社員は所長以下3人、協力会社の人は多い時で40人の現場ですが、だんだんコミュニケーションが取れるようになってきました。

浅見

私は土木の勉強をする中で、自然を守る仕事がしたいと思ってきました。調べてみると、当社はダム建設などでいくつもの優良工事を受賞していることがわかりました。そういう会社で、今まで学んだことを活かし、さらに学び、将来的には地図に残る仕事をしたいと思って入社しました。今は、圃場整備や歩道橋工事など幅広い工事を経験しています。

新しい研修を始めたきっかけは何でしたか。

小島

これまでの教育はOJTが中心でした。建築や土木の技術者はそれぞれの現場で先輩に習うのですが、「初めての現場が不安だった」「先輩や職人とうまく話ができなかった」という若手の声が聞こえてきたことをきっかけに、研修の再構築を始めました。技術は現場で身に付けるものですが、知識があってこそ技術が得られ、成長につながる。そこで、一歩踏み出すためのトレーニングとしての研修を行うことにしました。

藤田

確かに、学校で習ったことで、現場で活かせたのは簡単な用語くらいでした。実際の仕事の場は教科書とは全然違いました。

浅見

それに現場ごとに工事の状況が変わるので、学校で習った通りにはならないですよね。高校は通過点で、入社してからも勉強だと思いました。

小島

着工から竣工までの流れ、建築や土木の概論に加えて、新発田建設という会社の全体像を意識できるよう、技術者であっても営業などの部署や他の拠点など社内システムについての研修も設定しました。

研修ではコミュニケ―ションを重視したと聞きました。

小島

新入社員のみなさんが現場に出て感じたように、一つとして同じ現場はないので、すべてをもれなく研修で学ぶことは難しい。けれど、現場で積極的に話ができ、聞くことができれば、わからないことがあってもカバーできます。幅広い年代と話し合い、自分の考えが伝えられるようコミュニケーション力をつけることも重視しました。現場では、初対面の人や親世代ほどの職人さんに指示をすることも多いですから。

浅見

社内でも、ちょっと顔は怖いけど、実は優しいという人、いますよね。話してみて初めてわかったんですけど(笑)

小島

(苦笑)

儀同

先輩に、職人さんと仲良くなれると現場がスムーズに動くと聞いて、会話を心がけています。特に、現場に初めて入ってくる職人さんへの説明の場では、積極的に話しかけています。

細川

私は、最初にたわいない話をしてから仕事について話すといいというアドバイスをもらい、実行しています。

小島

研修制度を整備するにあたり、研修の講師、現場見学や体験の受け入れなどで様々な部門や社員に協力してもらいました。忙しいスケジュールの中、新発田建設のこれからの発展のために社員教育がいかに重要かを伝え、理解してもらって実現させた研修制度です。3ヶ月の基礎研修終了後は、月に1回、積算やCADなどのテーマを決めた勉強会を2年目まで続けます。現場で必要になることの先取りであり、自分の知識や技術の進み方を確認し、お互いに教え合って理解を深める場になることを目指しています。

みなさんは研修について、今、どう思っていますか。

浅見

3ヶ月の研修は現場に行く準備期間という感じでした。研修で得たことを繰り返し、これからは体で覚えて、考えなくても行動に移せるようにしていきたいです。

儀同

最初聞いたときは「長い!」と驚きました。でも、この研修と現場での経験があったから、徐々に図面もわかるようになったし、職人さんとも話せるようになりました。

藤田

研修の間に現場や作業への不安が解消され、安心できました。これからは定期的な勉強会で、CADについてもっと学びたいです。木造の設計はわかるのですが、鉄筋コンクリート造や鉄骨造の構造物については経験がないので、習いたいと思っています。

細川

3ヶ月という期間は、終わってみると短かったです。私は現場での実践的な研修がもっと多くてもいいと思います。施工写真の撮り方とか、墨出しの確認とか、今現場で行っていることなど、しっかりと学べておけたらと思います。

浅見

実地体験が多いのはいいですね、賛成です。あらかじめ経験できていれば、現場であたふたしないでしょうし。

みなさんの将来の目標について教えてください。

浅見

まずは資格取得です。二級土木施工管理技士、測量士補を取得し、その後、一級土木施工管理技士を目指します。今、関わっている砂防ダムの工事は、クマや猿、天然記念物のカモシカなどが生息するエリアにあり、設計でも施工でも配慮が必要です。動物も含め自然に詳しい先輩が一緒なのですが、その人を目標として、いろいろ学んで将来に活かしたいと思っています。

藤田

私の目標は、デザイン性の高い大型施設を造ることです。そのために、まずは二級建築施工管理技士、そして一級建築施工管理技士と、さらには一級建築士も取得したいと考えています。

細川

私の現場の上司も「一級建築士の資格を持っていないと、図面がきちんと見られない」と資格取得を勧めてくれるので、頑張って挑戦しようと思っています。短大の卒業制作で商店街の活性化に取り組んだので、これを仕事で形にしていきたい。新発田市のまちづくりが大きな目標です。

儀同

今、関わっている地銀の建物が、かっこいいんです。商店街の中でこれだけが違って見えるくらい、雰囲気があって。こういう建物を造ってきた会社なんだと改めて当社のすごさを実感しています。受験資格が得られたら、なるべく早く資格を取得して、多くの人が利用する、地域のランドマークになるような建築物の現場を担える代理人になりたいと思います。

第一期生のみなさんにどんなことを望みますか。

小島

新しい研修制度が始まり、1年が経とうとしています。研修で仕事のすべてのスキルを教えることはできませんが、技術者としての第一歩を踏み出す土壌は作れたのではないかと思っています。この後も、定期的に開催する勉強会を通して、知識を増やすだけでなく、同期の絆を強くし、新発田建設という会社全体の理解を深めてほしい。単に一技術者ではなく、まちづくりを担う企業のメンバーとして地域に貢献を果たしていくという意識をしっかりと持ってほしい。当社の次世代を支える、いや、引っ張っていくような存在になってほしい――そのための研修制度です。第一期生のみなさんの気づきや意見を活かし、研修に関わった各部署の社員の声を取り入れ、さらに研修内容をアップグレードさせていきたいと思います。さて、みなさんから、未来の後輩へのエールはありませんか。

細川

施工管理は、未来の創造に関わる、やりがいのある仕事です。一緒に取り組みましょう。

浅見・
儀同・
藤田

おぉ、かっこいい(拍手)自分たちも教えられるように頑張っていきます。一緒に働けるのを楽しみにしています。

新たにスタートした新人研修制度は、専門分野の基礎知識、企業の全容を学ぶ機会であると同時に、社会人に必要なコミュニケーション力を磨く場でもあります。年次や部署を超え、社内外の人たちと関係性を築くことができれば、それは、若い社員の成長を後押しし、ひいては新発田建設の進化、地域の発展につながっていくはずです。

研修制度の詳細はこちらからご覧いただけます。ぜひご覧ください。