ベネディクト会八ヶ岳三位一体修道院
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用途 | 宗教関連施設 |
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竣工年 | 1999年 |
施工地 | 長野県諏訪郡富士見町 |
発注者 | 宗教法人ベネディクト会 |
設計・監理 | 株式会社高垣建築総合計画 |
受賞 | 東京建築賞 最優秀賞 |
東京建築賞とは
社団法人東京都建築士事務所協会が、毎年関東甲信越地方で建設された建築作品の中から、優れた作品に送られる伝統ある建築賞であります。
審査評(社団法人東京都建築士事務所協会 東京建築賞 冊子より抜粋)
長野県富士見町、八ヶ岳と南アルプスに囲まれた唐松林の中に静かにたたずむこの建築は、アントニン・レーモンドの名作、目黒の聖アンセルモ教会を母体とする修道院である。
この建築の建築家はここを生活の場とする修道士達との永きに亘る丹念な対話の中から、自然の中で祈りと労働に身を捧げ、神と共に暮す修道の場という、現代の日常生活と全くかけ離れた建築空間のあり方を求めた。極めてシンプルな、生活の原点ともいえるような生活の場が、極めてシンプルな空間創りと自然環境と一体性を求め、その結果として現代の我々一般人もが求める空間と、ある種の同一性が実現できたのではないかと思われる。
外装は英国製のレンガとスレートの屋根で被われ閉鎖的な表情を作っているが、さりげないエントランスのこじんまりとした空間を抜けると、光溢れる回廊から豊かな自然と一体となったコリドーへと続き、静謐な個室空間へ導かれる。コンクリート打放しと木質の天井や廊下の素材の対比が鮮やかで、設備類をさりげなく納めた木パネルの扱いなど、ディテールのきめ細やかさによって全体が気持の良い引締まった空間に仕上がっている。
建築のタイムレスネスを目指したという設計者の意図が居住する修道士に伝わって、入念な手入れを日常の労働として行い、時空を越えた生活と空間とが持続していくような予感を感じさせ、慌しい現代人の生活に問いを投げかけ、最優秀賞にふさわしい作品となっている。